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これは桜龍二たちが生まれる1000年以上も前からの物語である
魔族の中でも特に力が強かった『魔帝ネグロス』が支配する世界
魔族界ディスパイア
そこに魔神と竜の混血・・・暗黒竜として生を受けた「カオス」の物語である
トランパイア歴992年―
カオスは20歳になっていた・・・・
親の血か・・・異端児として生まれたせいなのか・・・
15歳をすぎたころから異常な魔力の増幅・・・
村人や同族からは恐れられ・・・両親ですら自分たちをはるかに超える力をもつカオスを恐れた
事実、カオスとまともに戦える者などその村にはいなかった・・・
・・・・つまんねぇな・・・
カオスは暇を持て余すようになった・・・
昔は森や海で魔物と戦っていればそれなりに暇をつぶせた・・・
死にかけたことも多々あったが・・・それもそれでたのしかった・・・
だが・・この近辺では相手になる者はいなくなってしまった・・・
家に帰ると、両親の話声が聞こえた
「ねぇ・・・いつまで・・・」
「わかっている・・・だが・・・カオスはワシたちをはるかにしのぐ力をもっている・・・」
「村長はなんて?」
「今はまだ何もするなと・・・もうすぐ隣町に強力な魔神が来るらしい・・」
「じゃあ!その方に・・・」
「あぁ・・・依頼するらしぃ・・・カオスの抹殺を・・・」
・・・へ~・・・魔神ねぇ・・・
カオスは自らの暗殺の話をする両親に何の感情もうかばなかった・・・
カオスにとって両親など道端の石ころと同じ程度であったからだ・・・
いや、両親だけでなく、自分の周りにいるすべてがそうであった・・・
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