憂鬱な朝

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当初は俺から一本取る事など出来ないと思い知らせれば、早急に諦めてくれるだろうと思ったのだが、考えが甘かった。 結局、今の今まで勧誘は続いてしまっているのである。 「もう諦めたらどうですか? 桐下先輩にとっては最後の年なんですから、やる気の無い俺なんかに構わず練習に励んで下さいよ」 「えぇい、黙れ! 貴様がいれば全国など夢ではない。この激戦区を勝ち残るには貴様が必要なのだ!」 憤慨した様子でそう言うと、桐下は周りにいた部員に合図を送り、俺を四方八方取り囲むとそれぞれ竹刀を構えた。
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