φ噛み合う歯車

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そんな会話をしていると、後ろから声を掛けられた。 「おっはよ!二人とも」 振り返ると金髪の長い髪を首の後ろで束ねた少女が腕に抱きついてきた。 「七海か。おはよう、あとさっさと離れてくれないか?」 俺の腕に当たる二つのモノに内心慌ているのを一切表に出さずに少女―――華島七海(カジマ ナナミ)に言う。 「えー!別に良いでしょ~。休みの間会えなかったから湊分が枯渇寸前なんだもん。それに満更でもないんでしょ?」 「正直に言おう。確かに満更でもないが……場所を選べ。あと湊分なんてモノは無い」 周りから視線の集中砲火に冷や汗を流しながら七海を説得するが、聞く耳を持ってくれなかった。 『今日は朝から元気だね七海ちゃん』 「あったり前だよ飛鳥ちゃん!新しい友達をいっぱい作るチャンスなんだから!」 なんで七海がこうも友達を作るのに燃えているかと言うと、どっかの歌で『友達100人出来るかな~♪』って言うのがあるだろアレを実現して見せる!とかいきなり言い出して今は500人に挑戦中らしい。 『今は何人くらい?』 「えっと、さっき友達になった奏ちゃんで492人だよ」 『あ、あはは。やっぱり凄すぎだよ七海ちゃん』 飛鳥は七海から聞いた友達の数を聞き、頬を引きつらせながら笑っていた。 あ、今さらだが。何故七海に飛鳥が見えているかと言うと、彼女が悪魔だからだ。それも最上位の四名家のうちの一つの華島家の人間なのだ。 とりあえず俺達は世間話をしながら校舎に入った。
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