φ動き出す歯車

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あの後、時間になり体育館に移動して入学式参加。学校生活に役立ちそうな面白い情報は一つ手に入れた。 その情報とは、この洛芦和高校には公認されているだけでも三個の生徒会があることだ。第一生徒会の会長はとりあえずハンサム野郎+白いコート。 第二生徒会の会長は整った顔立ちなんだと思うが、それを台無しにするように規則どうりにキッチリと言うかガッチリ制服を着こなした姿は、まるで絵に描いたような生真面目な優等生そのもの。俺には素顔を隠しているように見えた。 第三生徒会の会長はいたって普通なのだが……一ヵ所だけ、普通でない部分があった。 刀である。 柄巻だけで鍔を持たない変則的な太刀拵え。戦陣用の黒漆太刀。自分の身長より長い日本刀を、彼女は当然のように背負っていた。あれは絶対本物だ。しかも今も実践で使われている代物……なんでこの高校の先生方は銃刀法違反を見逃してんだ? とりあえず、入学式が終わって、生徒たちはぞろぞろと教室に移動する。その際、また七海に抱き着かれた状態で教室に移動したため、かなり周囲の嫉妬やら殺気やらにさらされた。 付け足すとしたら飛鳥がそれを見て大笑してから俺が何かを言う前に姿を消しやがった。 なんで俺がこんな目に会わなきゃならん 教室に入ったら座席は指定で男女混合の出席番号順になっていた。名字が神裂である俺には、廊下から二番目の列でほぼ真ん中という席が用意されていた。 そしてカ行の名字はこのクラスに俺を含めて五人。そして俺の神裂は必然的にカ行の一番後ろになるのだが、何故かカ行のほとんどの奴が頭文字の次が[し]以上の奴らしか居なかったので俺の前の席には…… 「あはは、まさかこんなに席が近いなんてね」 華島七海が嬉しそうな顔で笑っていた。 ,
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