ぼくはどこにいる

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 駅で切符を買う。時刻表を見、ちょうどお昼あたりに着く駅で降りて、昼食を取ることにする。僕はとりあえず南へ行くつもりだった。暖かいところに行きたかった。沖縄とか良いかもしれない。ホームでそんなことを考えながらぼうっとつっ立っていると、中学の時の友達と会い、一緒の電車に乗った。 「どこに行くの?」 「行けるとこまでかな」  彼女はなにそれと笑い、僕のきっぷを覗きこんだ。目的地を見て、そんな遠いところまで行くのとおどろき、ここのお店のラーメンがおいしいよと情報提供してくれた。  へえ、じゃあお昼に食べようかなと思う。ラーメンは僕の好物だった。油っこくて途中で嫌になるけれど、それでも好きだった。  彼女は電車を降りた。バイバイ、と言う彼女に対して僕はさよならと言った。彼女はふと変な顔をしていたが、それも一瞬だった。   
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