始まり

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「妹達、そして騎士達を守ってくれませんか?大騎士長エスタード・カルタス」 「そ、それは…」 「私、そして奴がいる限り。この戦乱の時代が終わることはありません」 「ですが、それではあまりにも姫達が、騎士達が……」 「あの子達はもう十分、戦ってくれました。そして、私がこの破壊と創造の戦いに終止符を打ちます。だから、平和になった世の中で余生を暮らして下さい」 「ですがッ!!」 「お願いします」 白髪の男性にふり返った若き王は、とても強い目をしていた。 自分が死んでも妹達が、騎士達が、仲間が自分の信念を継いでくれる。 平和な世を築いてくれると信じた目だった。 エスタードはそんな目を見て理解し、ただ一言だけ。 「……御武運を」 「えぇ、じゃあ、行ってきます。あと一つ――――」 そう言うと自分の甲冑を持ち、王は戦場へ向かった。 「…あなたの最後の御言葉、必ず果たします。創造王ソフィ・ベルクマン様」 その後、創造王がどうなったのか… 破壊と創造の戦いはどうなったのか… それを知るのは、エスタードによって後世につづれた一冊の『本』のみであった。 ………………………
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