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ー聖王のゆりかご玉座ー
玉座の間には、四人の影があった。
正面の画面上には、通路を走るエド達が映っていた。
「クックックッ、さぁ来るがいい。異世界の住人よ。
こちらの準備はとうに出来ている。
後は、懐かしの……ミッドチルダに帰るだけだ。
……いや、君達には旅立ちになるのかな」
笑いながら語るジェイル・スカリエッティ。
「ドクターは、最近、ご機嫌がいいですね」
「えぇ、そうね。
まるで、欲しいオモチャが手に入った子供の様に」
「こ、子供ですか…」
コンソールをいじりながら喋るナンバーズⅠウーノ、Ⅳクアットロ。
「ドクター、別経路から侵入してきた奴等は、手筈通りに例の場所に閉じ込めました」
玉座に入ってきたナンバーズⅢトーレ、Ⅶセッテ。
トーレは所々に傷があり、セッテは火傷をおっていた。
「お疲れ様。よくやってくれた。休んでくれ」
スカリエッティは二人を見て言うと、ウーノが作業を中断し、トーレとセッテに近付いていく。
「トーレ、セッテ、傷の手当てをするわよ。
クアットロ、後は頼むわね」
「了解で~す♪」
「…申し訳ありません」
「くそっ!あの筋肉髭ダルマめ!!」
ウーノに連れられ玉座を出ていくトーレ、セッテ。
ピピッ!!
「~~♪ドクター、お姫様~、例のおチビさん達は“部屋”に入って行きました~~♪♪」
コンソールをいじるクアットロ。
「フッフッ、では、始めようか!!」
バッと手を前にやり、通信が繋がる。
スカリエッティの後ろ、つまり玉座には、今では『高町ヴィヴィオ』となった聖王ではない者が座っていた。
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