2人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
防弾ガラス越しに見た街の惨状に、一瞬操縦桿を握るのも忘れて唖然となった。
そして次の瞬間にはその惨状を作り出した怪物への憎悪が湧き上がる。
ギャオオォォォォォォォォ
怪物は雄叫びをあげながら瓦礫の山とかした街を蹂躙する。
地上ではいまだに警察官たちが怪物に攻撃を続けている。
無線からは常に救援要請や泣き言が聞こえるが、それでも彼らは逃げようとしない。
彼らがどんな思いで戦っているのかは分からないが、それでも、彼らの想いの強さは手に取るように伝わってくる。
『クソッタレ!!
テメェの好きにはさせねぇぞ!!』
『くそが!糞が!クソがぁぁぁぁぁぁ!!』
『畜生!俺達の街から出ていけぇぇぇ!!!』
無線機から警察官と思わしき怒鳴り声が聞こえてくる。
司令部から指示伝達以外での無線機の使用は禁じられていたが、これほど強い想いを感じてしまったら、そんなことはどうでもよくなった。
今まで使うことのなかった無線機の発音スイッチをオンにする。
「こちら第四師団所属の攻撃ヘリ小隊ブレイド1、これより諸君等の支援を開始する。
共にあの化け物を倒すぞ」
最初のコメントを投稿しよう!