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《5年前―》
今までの家を出発し、
これから住む家までの道程で
「う゛ぅ~~~っ」
私は友達と離れるのが寂しく、溢れる涙をお母さんの服に染み込ませていた
「梨凜、着いたわよ」
お母さんの声と体を揺する動きで重たい瞼を開けながら
「ん~~~」
唸りながら体を起こす
「っい…た~?」
「そうよ!」
ウキウキと楽しそうなお母さんに、
ニヘラっと笑うとクスクスと笑われ
「元気になったみたいで良かったわ」
そう言って車を降りるよう促された
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