洞窟の向こう側

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ひとしきり騒いだところで… 「じゃあぼちぼち行きますか。」 「行くって、どこに??」 清々しいほどの青空の下、見渡す限りの大平原を前に途方にくれた顔してる愁さん。 「心配しなくて大丈夫ですよ。なんとかなりますって。」 「そんな根拠の無い事言われてもなー…」 「もっと気楽にしてなさいよ。藍那さん見てごらんなさい、あんなにはしゃいじゃって。」 「あいつは、なんかもう特殊だろー」 ほっとくと頭抱え込みそうな勢いの愁さんをどうやって丸め込むかな。 「愁さん、アナタのジョブちょっとおもしろいでしょ。」 「ん?」 「愁さんは感覚的なものを肌で覚えるよりは知識として得る方がいいかなって。分かりやすいでしょ?」 「…なるほど。」 確かに、って頷きながらパラパラと分厚い本のページを繰り出した。 「とりあえず簡単な魔法ならすぐにでも使えるはずなんで。早めに習得しちゃってくださいね。」 「わかった、やってみる。」 「頼りにしてますよ。」 よし、と。 ひとまず気を逸らすことに成功。 「みやーぁ。あっちになんか建物っぽいの見える~!」 「ほんと?え、どれ?」 「俺には見えねーけど…。」 「えー?うそっ、ほらあそこあそこ!」 「さすがだな~藍那ちゃん。」 「んー、とりあえず藍那さんの野生の勘を信じてみましょーか。」 「ちょっとー、カンじゃないですーぅ、ホントに見えるんだからねっ」 .
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