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「うーわーーー…」
真っ暗な洞窟がぽっかりと口を開けてる。見るからに怪しい雰囲気。なにか手掛かりが見付かるはず、なんでしょうけど。
「結構奥行きありますな。」
「真っ暗だね。
コウモリとかいたらやだなー。
藍那くん先行ってよ、こーゆうの慣れてるっしょ?」
「えー、オレもコウモリはやだよっ!」
尻込みする下3人(笑)
ふむ。こうゆう時は、
「いるじゃないの、動じない男が。」
「ん?あー、確かに。」
「そぉだ!
キャプテンっ、はーやーく!」
愁さんに肩貸しながら歩いてるおじさん。呼ばれて「ん?」て、首傾げてる。
「キャプテン、先頭お願い!」
「ぅえ~、なんだよもー」
眉根を寄せながらも、しょうがねぇな~、ってぼやきつつ洞窟に一歩踏み入った…ら、
「……あれ?おーちゃあん!!」
「あらら、消えちゃいましたね。」
「マジ?」
「え、ちょっ…さとっさん?!」
「あ、愁さん待って!」
伸ばした手が空を切る。おじさんの後追って姿を消してしまった愁さん。
あーあ、なんの躊躇もなく行っちゃいましたよ。
なんか、ちょっと…
むっとしちゃいます。
「こーれは!行くしかないっしょ!」
まあ、そうなんだけどさぁ。
藍那さんが絢くんの手を掴んでズカズカ洞窟に踏み込んでった。どうやら洞窟の中は別の空間になってるみたい。
「うわー、変な感じ。」
すでに腕だけの藍那さんに引っ張られてく絢くん。たしかに、シュールな画だなこりゃ。
「ほら、行くぞ。」
絢くんは俺の腕を取る。これなら3人同じ場所に出るはず。年長ふたりもまあ無事だろうけど。
「カナ、ちょっと苛ついてる?」
「なんでですか。」
「あのふたりに妬いてんのかなって」
「…そんなこと、ないです。」
ニヤニヤ、やーな笑い方しないでよ。
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