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翔と出会ったのもそんな地獄の日々の中だったと思う。
苦しさと共にくる絶望感。
怖い。
ただただそう思っていた時、
「あの・・・」
見ると、私と同じぐらいの年齢の男の子がいた。
あれ?
この子?
なんだか…
不思議なことに私は久しぶりに会ったことのある人みたいに感じた。
後に私は、この妙な違和感の正体を知ることになる。
「僕、奈多 翔。《なた しょう。》友達になってもいい?」
少年はにっこりと笑い、私に手を差し伸べた。
ねぇ、翔。
その手は後に、私を絶望のふちから救ってくれたんだよ?
その温かい手が。
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