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音村がその発見に身を震わせている間に、このペンションの一番近くにある派出所から巡査がやって来た。
「何かが起こったようですな」
巡査は管理人室で震えている音村に話しかける。どこか脳天気にも聞こえるその声は、音村の気を逆撫で兼ねない物だった。
「松原さん、そんなのんきな問題じゃない、大事件ですよ」
「ええ、ええ、聞いていますよ」
定年を間近に控えた松原巡査はそれでも特に態度を変えることもなく、そんなことを言う。
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