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「殺人ですよ、殺人」
音村がいらいらしながら怒鳴ると、巡査は、まあまあ、と両手を前に出し、
「とりあえず、現場へ案内していくれますか?」
と、人好きのする笑顔で言った。
普段から顔見知りであるその巡査の態度に毒気を抜かれた音村は松原を池の畔まで連れて行き、池の中央辺りで漂っているボートを指さした。
「あそこですよ」
「あのボートの中に死体がねえ。では、私は誰も近づかない様に見張っていますので、音村さんは後続が来たらこちらに案内していただけますか?」
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