二人の男の問題
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予定の時刻より十分ほど遅れてセダンの車が到着した。そして、その車から一人の男性が降りて、管理人室に向かってくる。 「どうも、お世話になります」 音村が声をかけるよりも早くその男が声をかけてくる。こんな山の中に来るには不似合いなスーツ、そして、体から醸し出すどこか都会的な雰囲気は、片田舎のペンションに来るには不釣り合いだ、などと音村は考えていた。 「ええと、ご予約の清水様でしょうか?」
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