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松原がその質問に応える事が出来ずに口ごもっていると、
「裕輔、宿題はもう済ませたの?」
と、横から春香が口をはさむ。
タイミング良く出された助け船に松原は、
「子供は学校の勉強が仕事だからな」
等と、さっきまでとは打って変わって、その言葉に同調するように何度も頷き、裕輔に不満そうな声を出された。しかし、松原はその声を聞き流すと春香に、そろそろ家に帰るよ、と告げた。
「泊まっていけばいいのに」
春香はそう言って松原を引き留めたが、彼はこのまま質問漬けにされては叶わないと、這々の体で逃げ出した。
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