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「まぁ、倒すって言っても殺すんじゃないよ。戦って、倒して、眠らすだけ…ね?簡単でしょ?」
アリスはさっきよりも子供らしい笑顔で、しかしさっきよりも恐ろしさを含んだ笑顔だった。
私はその場を逃げた。
「逃げちゃうなんて、駄目だよ?私からは逃げられないんだからさぁ…」
アリスはパチンと指を鳴らした。
途端に空間が歪んで、私の前方を塞いだ。
「知らないかなぁ、私の能力。世界を渡り歩いたプリンセスは、『空間』の能力を扱える…」
アリスはゆっくりと私に近づいた。
「こんなことして、許されないわ!!童話世界保護連合が絶対に貴女を捕らえに…」
「知ってる?連合の議長が誰か…」
「え?」
「ハートの国の女王。連合における全ての最終決定権を持っているのよ」
私はアリスのその言葉の真意が分かった。
連合は来ない。
それはアリスがすでに手をまわしていた…。
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