トレスティスの魔法使い

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そこで言葉を切ったのに、チャロがグッと詰まる。 (百面相だな) クルクルとよく変わる表情を見つめながら、彼は再び口を開いた。 「一緒にいるだけが友ではない」 「……えっ?」 「別に、お前が魔法使いにならなくても……なれるだろう?」 流石に少々、気恥ずかしくて『何に』とは言わなかった。しかし、精霊は見えなくても、彼の言いたいことは解ったらしく――次の瞬間、チャロは破顔した。 先程と同じ、太陽の笑顔で。
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