弱点

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何か思いつく度、チャロは意気揚々と彼の住む森へとやって来る。 「なあ、セルって苦手なこと、ないの?」 木漏れ日に金の髪を、好奇心に紫色の瞳を輝かせて――尋ねてきた少年に、つと眉を寄せながらセルファーは口を開いた。 「……そんなことを聞いて、どうする?」 第一、質問のされ方も引っ掛かる。「あるか?」ではなく「ないの?」だと、まるで弱点がないと決め付けているようではないか。
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