弱点

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そんな少年は、精霊達に随分と気に入られていた。相変わらずチャロには見えていないが、今もその周りには精霊が――淡い光に包まれた、掌くらいの大きさの人々が幾人も集まっている。 「……苦手、とは少し違うかもしれんが」 だから、セルファーが最初の質問に答えようとした時。 パッと顔を輝かせたチャロの傍らで、彼の『弱点』を知っている精霊達はクスクスと笑ったり、温かい眼差しを向けてくるだけで――誰一人、セルファーを止めようとはしなかったのである。
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