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「魔法、使わないのか?」
澄んだ声。紫色の大きな目を、更にジッと見張って。
家の掃除をしていたセルファーにそう尋ねてきたのは、七、八歳くらいの金髪の男の子だった。
世界には、精霊が満ちている。それが、この世界――トレスティスの理だ。だが、精霊の姿は普通、目に映ることはないし、声を聞いたりすることもない。
そんな存在を何故、人々は信じているのか?
それは見えない筈の姿を見、聞こえない筈の声を聞く存在――魔法使いが、いるからなのだ。
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