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視界が明るくなる。見たこともない部屋に直幸は居た。部屋の真ん中には黒い球体が置かれていた。
部屋の中には2人居た。2人共、妙な黒のウェットスーツのようなものを着ている。よく見ると、どちらも直幸の知っている人間だった。
腕を組むクリセイに、オドオドしてるユウちゃんだった。
『おいおい。まさかの直幸かよ…。』
クリセイが言う。メガネを掛けている小太りのオタクだ。直幸の元同級生。三年に進級できず、学校を去った男だった。
同じくユウちゃんも同級生。体は細くクリセイと同じくオタクだ。赤点3つながらもギリギリ進級。クリセイと違ったのは家庭科が赤点じゃなかった事だ。
直幸は自分の体が無傷な事に気付く。
『え?何でクリセイが?
俺さ、ここドコだよマジで俺さ。さっきダンプにひかれたのは夢だったのか俺さ。』
ダンプカーにぶつかって死にそうだったはずの直幸は、困惑し叫ぶ。
突然、ラジオ体操の歌が鳴り響き、
部屋の中央の黒い球体に文字が浮かび上がった。
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