3/8
前へ
/87ページ
次へ
視界が明るくなる。見たこともない部屋に直幸は居た。部屋の真ん中には黒い球体が置かれていた。 部屋の中には2人居た。2人共、妙な黒のウェットスーツのようなものを着ている。よく見ると、どちらも直幸の知っている人間だった。 腕を組むクリセイに、オドオドしてるユウちゃんだった。 『おいおい。まさかの直幸かよ…。』 クリセイが言う。メガネを掛けている小太りのオタクだ。直幸の元同級生。三年に進級できず、学校を去った男だった。 同じくユウちゃんも同級生。体は細くクリセイと同じくオタクだ。赤点3つながらもギリギリ進級。クリセイと違ったのは家庭科が赤点じゃなかった事だ。 直幸は自分の体が無傷な事に気付く。 『え?何でクリセイが? 俺さ、ここドコだよマジで俺さ。さっきダンプにひかれたのは夢だったのか俺さ。』 ダンプカーにぶつかって死にそうだったはずの直幸は、困惑し叫ぶ。 突然、ラジオ体操の歌が鳴り響き、 部屋の中央の黒い球体に文字が浮かび上がった。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

73人が本棚に入れています
本棚に追加