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ガシャァ!
昇降機のシャッターが開く音がして、
士官「只今戻りました!」
士官「酒保より『月桂冠』をお持ちしました!」
別の士官「ふむ…『月桂冠』か…誰かコップを持って来てくれ」
艦橋に居る士官全員にコップが配られ、次いでお酒が注ぎ込まれた。静かにコップを満たしていく酒は月の光に煌めき、薄くも青白い反射に伝達員、参謀達、そして司令長官を包んだ…
伊藤「皆、明日の出撃は私も大反対だ、いくら『大和』でも沖縄どころか米艦隊と会敵も出来ないだろう、そんな意味の無い作戦に諸君等の命、無駄に散らす訳にいかん…」
有賀「誰か私にもコップをくれんか…」
防空指揮所で煙草を吸っていた有賀艦長が背後のラッタルから降りて来た
士官「はっ!!」
部下が注いだ酒が有賀も薄い青白い光に包む。
伊藤「…艦長、あんたも嫌だろう…死ぬのは」
有賀「ええ…私も死ぬのは怖い…だが、明日には長官…貴方を説得するために軍令部から使いが来るでしょう」
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