…出撃!!

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4月6日午後…零式水偵に乗って連合艦隊参謀長、草鹿龍之介(くさかりゅうのすけ)中将が『大和』を訪れた、頑なに作戦を反対し続ける伊藤中将を説得するためだ、しかし、説得は困難を極めた、なぜなら草鹿中将自身この作戦の無謀さが判っていたからだ…だが、「一億総特攻の魁(さきがけ)になって頂きたい」という一言に伊藤長官は作戦を了承したという… そして戦闘経験の浅い少尉候補生は『大和』から強制退艦させられた…皆は涙して下艦を拒んだ。が、それでも『大和』と共に死地へ赴くことは許されなかった。“足手まとい“として下ろされた若者は荒廃した日本を復興させる大事な使命がある、長官も艦長も皆そう考えたからだ。『大和』と共に散ることを許されなかった新兵達は勇ましくも儚く沈む運命にある戦艦をずっと見つめていた…
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