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やがて豊後水道を抜け、『大和』の他に生き残った3隻の戦艦が到着した。当時『大和』以上の栄光を誇った『長門』、戦艦から航空戦艦に改装された『伊勢』、『日向』が破損部の修復を終え、広島県の呉より追いついた。本来、22機ずつ搭載出来るにも関わらず『伊勢』に10機の零戦が積まれているだけである、『長門』の護衛として駆逐艦3隻が随伴していた。
艦船は当然、艦載機の燃料も満タンではない…それでも結集したこの4隻の戦艦、1隻の軽巡洋艦、11隻の駆逐艦は沖縄へ向け針路をとった
伊藤「機関、第二戦速(だいふたせんそく)で沖縄へ向けよ!」
有賀「両舷前進第二戦速!」
伊藤「そういえば、『伊勢』に零戦が積まれているそうだが、本作戦に援護の飛行機は無かったはずだが…」
有賀「第五航空艦隊司令長官、宇垣纏(うがきまとめ)長官による独断での航空機一部同行と聞きましたが、」
伊藤「第五航空隊!?」
有賀「…どうされたので?」
伊藤(お前と一緒に死ねるとはな……叡よ)
伊藤叡(いとうあきら)中尉…伊藤整一中将の息子、長男である…
夕焼けに染まる海原を世界最大の戦艦は悠々と波を切り裂いて行った…
米潜水艦に早くも発見されていると知りながら………
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