52人が本棚に入れています
本棚に追加
午前中の授業が終わり、思いっきり机に突っ伏す。
「らしくねぇな。」
「ほんと。」
つぼの問い掛けに起きながら答える。
「携帯ぐらい、海容してくれてもいいのにな。」
「あの、脳みそ筋肉め。」
自分が悪いことなど忘れ、言いたい放題だとは思う。
でも実際、嘲けでもしないと気持ちは落ち着かないものだから、仕方ない。
「でも、ついてないのは…一年の自己紹介からだろ?」
「今それをゆうか?」
苦笑して答えるが
今だから笑える。
一年以上経ってしまった今だから。
最低最悪の自己紹介、
「平本ひろとです。
名字をローマ字にして、逆さから読むと、アラ不思議!
otomariH
お泊まりエッチです。」
入学式前日、姉貴にすりこまれた自己紹介をそのまま述べた。
結果は当然、ひかれてしまった。
ただ一人を除いて。
「一番ついてないのは、つぼにつきまとわれたことだな。」
「ご愁傷様、って、なんでやねん。」
そろそろ腹の虫が騒ぎ出したので、弁当を取り出す。
今日の弁当箱は可愛いらしい、
とゆうより、明らかに女物。
「今日は噂の姉ちゃんの弁当か。」
「タイミング悪いよ、ほんと。」
先程の授業で、シスコン疑惑が浮上した俺は
他のクラスからチラホラと俺を見にくる奴がいた。
「しかも、女ばっかな。」
「あぁ、その話なんけどさ。」
女の話しを俺からしたことは、あまりない。
だから、つぼはビックリしながら俺に問い掛ける。
「ついに春か!?裏切りか!?」
「違う、違う。」
なんだ、そんな顔をして自分の弁当に意識を戻すつぼ。
「自分にとって、理想の女……って、いうのがわらかなくて。」
「んなもん、簡単だろ。」
「え?」
「肉欲に任せろ。」
「・・・・却下。」
「うおっ、
意外にコレって、正答なんだけど。
ま、いいや。」
「なにが?」
「俺がひろとの理想女探しを手伝うぜ。」
「?」
俺のどうやって、とゆう疑問を無視して
弁当も途中に、つぼは立ち上がった。
最初のコメントを投稿しよう!