来 訪

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「どわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 夜中だというのに少年の悲鳴が都に響き渡る。近所迷惑だ。 「お・ま・え・ら~・・・!!」 叫びたそうだが、何かに潰され苦しそうな声になる。 「いい加減躱そうぜ~」 「そうだそうだ」 「じゃないといつまでも半人前」 「だけど潰せないのは俺達がつまらない!」 「うんうん。だから、いい塩梅って奴でいこう!」 『な!孫っ!!』 そう。潰されているのは言わずもがな、昌浩少年である。毎度恒例になっている潰れである。 いい加減躱せと言う眼差しとともに、もう慣れたという雰囲気が勾陣の肩に乗っている物の怪から送られていた。 いつもなら雑鬼達がどけるか六合が掘り出すのだが、今回は違った。 「孫・・・!!言うなーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」 孫が噴火した。いや、正確には孫が乗っていた雑鬼達をふっ飛ばした。 『おお』 これには物の怪達は驚き拍手を送っていた。いやぁ、大した体力だ。 「危ないじゃないか!孫!」 「そうだそうだ!けがしたらどうする!!」 「知るか!!というか人を潰すな!!」 「じゃあ躱せよ~」 「う゛・・・」 痛いとこを突かれ昌浩が一歩下がる。 それを見ていた物の怪は先ほどの感嘆を忘れ、呆れた表情になっていた。お前は雑鬼にすら口で勝てんのか。 六合はいつもの無表情でよくわからないが、勾陣は苦笑を浮かべながら成り行きを見ていた。 「で、今回は何の用だ」 先ほどから言い合っていて話が進みそうにないので、騰蛇から話を切り出した。 雑鬼達が潰しに来るのは大体何か起きた時だ。・・・まぁ、ただ潰しに来るのもない訳ではないが。 「おお、忘れてた」 「いかんいかん」 雑鬼を代表して猿鬼が昌浩の肩に飛び乗り話し始めた。 「最近よ、何か変な若い人間が都に入ったんだよ」 「変な人間?」 「そうそう。式神かな、そんな感じのと一緒にいたぞ~」 昌浩の疑問に答えながら一つ鬼が昌浩の足元に転がってきた。 「それってじい様じゃないの?」 晴明は式神一同に禁止を言われているが無視して離魂術を使う事もある。 その時の姿は絶頂期の頃の若い姿を取っている。 「俺達が晴明を見間違える訳ないだろ~」 それもそうだ。祖父との付き合いは自分や、下手したら父よりも長いかもしれないのだ。 「もっくん達、知ってる?」 「ん、まぁ、心当たりがない訳ではないが」 「?」
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