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第一章前編「前略、俺へ」
前略、俺は死んだ。
… 。
… そう。
… 死んだのだ。
… 。
… 嘘じゃない。
俺は本当に死んだんだ … 。
第4次世界大戦の戦火の中、戦闘機のパイロットとして必死に生き続けた。
だが忘れもしない、あの端麗な朝焼けが昇った時だ … 。
突然朝日以外の光が目に飛び込んできたその瞬間 ー
ー … 。
… 俺は真下に落ちていた。
落下の圧力がかかり、目の前が真っ暗になって … 。
意識が徐々に薄れて行き … 。
… やがて何も考えられなく … 。
… 。
… なった筈なんだけどな … 。
… しかし見てみろ。
今、俺は意識がある。
そして立っている。
何故だか分からないが、大地を確かに踏みしめ立っている。
真っ暗だが … 体は痛くないし、五体満足だ。
… なぜだ … ?
俺は戦闘機と共に地上に叩き付けられバラバラになっているはずだ … 。
しかし … 何故意識がある … ?
… 明確と … 。
… はっきり … 。
… 。
… 死んだ … 。
… 筈なのに … 。
… 。
…… 。
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