第一章前編「前略、俺へ」

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… 女の子「 ー はい。お茶。」 男「ああ。すいません。」 … しばらくしてから俺と男は椅子に座り、テーブル越しに向かいあった。 決して良い造りとは言えないテーブルと椅子。 そこに女の子がお茶を置いてくれる。 … この香りは … ハーブティーか? 女の子「飲んでみて。」 女の子が男の隣に座って俺に言う。 「あ、うん。」 俺はそのハーブティーを口に付けた。 「 ー おいしい … 。」 ー 程良い口当たり。 甘さと温かさが伝わって来る。 なにより香りが良い 。 春をイメージさせるこの香りは、癖になる。 女の子「 ー 当たり前だよ!だって私がブレンドした特別製だもん!このお店の昼間の売り上げはこのハーブティー主体だもんねっ!」 女の子は誇らしげに胸を張る。 「 ー お店?」 男「 ー あ、実はここが私達が働いてる店でして … 名前はレミュールと言います … 。昼間は喫茶で、夜は酒場を開いているのです … 。」 … へぇ。 看板に『喫茶』と書かれていたから喫茶店と思ってたけど … なるほど、両方か。 なぜ酒樽みたいな物があるのかと思っていたが、謎が解けた … 。
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