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…
女の子「 ー はい。お茶。」
男「ああ。すいません。」
… しばらくしてから俺と男は椅子に座り、テーブル越しに向かいあった。
決して良い造りとは言えないテーブルと椅子。
そこに女の子がお茶を置いてくれる。
… この香りは … ハーブティーか?
女の子「飲んでみて。」
女の子が男の隣に座って俺に言う。
「あ、うん。」
俺はそのハーブティーを口に付けた。
「 ー おいしい … 。」
ー 程良い口当たり。
甘さと温かさが伝わって来る。
なにより香りが良い 。
春をイメージさせるこの香りは、癖になる。
女の子「 ー 当たり前だよ!だって私がブレンドした特別製だもん!このお店の昼間の売り上げはこのハーブティー主体だもんねっ!」
女の子は誇らしげに胸を張る。
「 ー お店?」
男「 ー あ、実はここが私達が働いてる店でして … 名前はレミュールと言います … 。昼間は喫茶で、夜は酒場を開いているのです … 。」
… へぇ。
看板に『喫茶』と書かれていたから喫茶店と思ってたけど … なるほど、両方か。
なぜ酒樽みたいな物があるのかと思っていたが、謎が解けた … 。
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