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ゆうりがウチに遊びに来るとまずはオレの部屋にいる。
オレにとっては小さな幸せな時間だ。
だがそれも夕方まで。
蓮兄が帰宅すればすぐにリビングにいってしまう。
ウチには母親がいない。
そして父は単身赴任中。
ゆうりは家事手伝いの名目で夕飯はウチですまし、10時過ぎくらいまで居座る。
その間蓮兄にべったりだ。
見るに耐えないが当然そんな素振りも発言もしない。
そしてオレは毎晩、優秀な蓮兄を疎ましく思い、ゆうりのコトを考えながら眠りにつく。
オレの高校生活は毎日ほとんど変わらない。
ゆうりに会う以外には楽しみなんてないし、最近では蓮兄と話すコトも少なくなってしまった。
なぜなら蓮兄はオレにとってライバルだからだ。
今は遠く及ばなくても、必ずいつか追い付き追い越してみせる。
絶対に負けない!
そしてゆうりはオレが幸せにするんだ!
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