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そんなオレがゆうりを思い続けてもう10年になるが、彼女的な者がいた時期もある。
中学二年のバレンタインの日にみんなの前でチョコを渡された。
照れと恥ずかしさのあまりその子にはヒドイことをしてしまった。
謝罪の意味も込めて映画を見に行ったりカラオケに行ったり…
デートのようなものを繰り返すうちにオレ達は噂になってしまった。
オレは一度傷つけてしまっているからもう二度と傷つけないと決めていた。
周りのヤツラに言われるのは気にくわないが毎日我慢して過ごしていたんだ。
だが、そんな日々は長く続かず中学三年の春に彼女は引っ越して行った。
それからは一切連絡など取り合ってはいない。
あの頃、ゆうりによく言われていた言葉が
「もっと彼女を大切にしなさい!あなたが何を考えてるのかちゃんと伝えてあげないと不安になるでしょ?言葉にしないと伝わらないんだから。」
といった感じだった。
オレの気持ちも知らないで本気で心配する姿を見て、何度もゆうりに告白しようと思ったがダメだった。
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