Chapter.1

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 だから今日もきっと良くない事の幕開けなのだと思う。  だって…… 「レン! 聞いてるの? 全く若いくせにひなたぼっこしながらお茶を飲むなんて、あんたは年寄りのじじぃ?」  と、このように文句を吐き出しているにも係わらず彼女は満面の笑みなのだ。 「い、樹……さん? 今日はどうしたんだ? その……笑顔恐いんだけど」  俺がそう言うと、樹さんは小さい子供のように頬を膨らませ不満を演出し始めた。 (全く、いい歳こいて何やってんだこの人は……) 「レン……私はまだ若いから。次、良からぬ事考えたら眉間に銃弾撃ち込むよ?」 「ゴ、ごごご、ごめん」  読心術!? しかもその般若のような不敵な表情は何!? 樹さんのスペックを上方修正しとかないといけないな。  まぁ、それは置いといて…… 「やけに上機嫌だな。何か良い事でもあった?」  すると、樹さんは般若から女神に早変わりしたかの如く表情を変え、 「明日から私立彩波学園の生徒になりなさい! 手続きはもう済んでるから!」  このように、まっっったくもって意味不明な言葉を発してきたのだ。
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