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AM09:00。
俺は今、私立彩波学園2―Bの教壇に立っている。
本来ならば俺は一年なのだが、標的であるアイリス・ファン・メルベールが二年な為、一つ歳を誤魔化して転入申請を出していたらしい。
お誂え向きな事に、彼女とも同じクラスときたもんだ。
(一体樹さんはどんな手段を用いたんだ?)
多々疑問は残る所ではあるが、正直、俺はそれどころではなかった。
「ねぇねぇ……彼、瞳が蒼いよ?」
「ほんとだぁ~」
「アイリと同じ国の人かなぁ?」
「でも名前は日本人じゃん?」
「確かに髪も黒いしね~」
「ハーフ?」
「やっば! それやばくない?」
俺とした事がいきなりの失態を犯してしまっていた。
暗殺者とはなるべく目立たないように……というのが鉄則みたいで、クラスの連中が言う様に、俺の瞳は蒼い。
これは母さんからの遺伝らしく、まぁとにかく〝目立つ〟。
普段は黒のカラーコンタクトをしている──樹さんに言われたからだけど──のだが、この日、大事な初日に俺は、あろう事か寝坊してしまった。
これが樹さんに知れたらさぞかし怒鳴り散らされるんだろうな……などと考えながら、
「片桐レン……です」
と、律儀に自己紹介を終えたのだ。
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