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さてさてどうしたものか。
地味に、目立たず、こっそりと標的の行動パターンや周辺の調査を行う予定だったが、担任はこう言った。
「片桐君は~アイリちゃんの後ろの席に座ってね~」
近すぎるだろ、おい。
しかしここで「いや、ちょっと……」など言ってしまえばそれこそ注目されてしまう。
俺は従順に窓側、後ろから三番目の席に腰掛けた。
もちろん前はアイリス・ファン・メルベール。
彼女はすれ違い様に、ぼんやりとした表情で俺に一瞥をくれると、その後、まるで興味が無いかの如く前へと向き直った。
まぁ興味を持ってもらっては困るのだが、少し、ほんの少しだが寂しく感じた。
それからは普通の授業が始まった。
国語やら数学やら英語やら……。
因みに言うならばこの学園のレベルは非常に高い。
某有名大学へも毎年数多く合格しているとか。
当然ではあるが、俺は産まれてこの方、まともに勉強などしていない。
やってきた事は、殺しのスキルアップを図る訓練のみ。
言わずもがな、進学校の超エリート仕様の授業などについていける訳もなく、ただぼんやりと目の前のアイリス・ファン・メルベールの後ろ姿を眺める事しかしていなかった。
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