Chapter.1

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 これがいけなかった。  昼休みの時間になると、 「あれ? あれれ? レンレンはアイリに一目惚れでもしちゃったのかなぁ~?」  突如、隣の席から笑いを含んだようなアニメ声が聞こえてきた。 「へ? いや……なんで?」  一目惚れ? そんな訳ない。  俺はただ、どうしたら手っ取り早く殺れるか考えていただけだ。  アニメ声は、くっふっふ、と嫌らしい笑みで、 「だぁってだぁってぇ! レンレンってば午前の授業中アイリの事ばかり見てたじゃん!?」  アニメ声はそう言うと、俺の前で手作り弁当をゆっくりと頬張るアイリス・ファン・メルベールへと声を掛ける。 「アイリぃ? レンレンがアイリに惚れたみたいだよぉ?」 「え……?」  アニメ声の言葉を聞き、彼女は持っていた箸を止め、キョトンとしている。  それもそうだろ。  いきなり今日転校してきた奴が、自分に惚れた! 等と言われれば誰だって驚くさ。  しかしまぁなんともおっとりとしているお嬢様だこと。  おっとりと言うか、ぼんやりと表現した方がいいような感じだな。 「おっと自己紹介がまだだったね! 私は北川麻穂(きたがわまほ)、んでこっちがレンレンのお気に入り、アイリス・ファン・メルベール!」
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