Chapter.1

16/33
前へ
/165ページ
次へ
 なるほど、アニメ声は北川麻穂というのか。  見た所、標的とは仲は良いようだ。  殺る時には彼女にも注意しないといけないな。  まぁ、とりあえず…… 「北川……さん? そのレンレンってのは……俺の事?」  多分、いや十中八九俺の事だろう。  ほら、北川も今更? みたいな顔をしてるよ。 「そうだよ! 片桐レンだからレンレン! あ、アイリの名前は長いから気軽にアイリって呼んでいいみたいだよ? ね、アイリ?」 「う、うん……」  北川はアイリス・ファン・メルベールの代わり(?)にうるさいくらい喋り続ける。  確かに長い名前ではあるが、貴族である事を鑑みればなるほど納得。  しかし担任もアイリちゃ~ん、と気安く呼んでいるしここは周りに合わせておくべきだな。 「じゃあ……アイリ……さんで、それと北川さん、そのレンレンは──」  俺がそこまで言いかけると、身長150にも満たないピンクブロンドのポニーテールアニメ声は、腕を胸の辺りで組み、不満げに、 「ま・ほ! 北川さんじゃなくて、まほと呼ぶべし! 分かった?」  声を大にしてそう言い、俺にズズズイっと近寄ってきた。
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

196人が本棚に入れています
本棚に追加