Chapter.1

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 コンビニ弁当を取り出しテーブルに並べる。  ハンバーグにトンカツにパスタ……。  そして、いざ! というタイミングで部屋の扉は豪快に開かれた。  誰が来たかって? 「レン! 状況報告しなさい!」  言うまでもない、樹さんだ。 「ん? もう食事? いつもは遅いのに今日はえらく早いわね」  そりゃまぁ今日最初の飯だからな……空腹をこれ以上我慢しようものならば、俺は餓死してしまうよ。 「腹減ってんだよ」 「食事より先にする事あるでしょ?! さぁ首尾はどうなの? ちゃんと報告しなさい!」  はい、餓死確定。  俺は溢れ出そうになる涎を飲み込み、腹の虫を何とか抑えて樹さんへと向き直った。  しかし、報告とはいえまだ何も進展のない状況で、何をどう報告していいのか分からなかったが、とりあえず今朝からの一連の流れを告げた。  空腹感からか、軽く朦朧としていた俺は、言わなくても良い、寝坊した事とカラーコンタクトを入れ忘れた事まで丁寧に言ってしまい、 「レン……眉間に風穴空けられたいの?」  と、顔を引き攣らせた樹さんに銃を押し付けらる始末。 「ごめんなさい。本当にごめんなさい」  もうね、生きた心地がしないよ。
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