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依頼を熟していない、というのも、肝心な依頼自体がこないのだから仕方がない。
俺的には、どこぞのマフィアのボスだとか、ヤクザの頭だとか、そんな悪名高い奴らの息の根を止めてやる自信はあった。
親父達の代わりに、後見人兼保護者兼仲介人である東雲樹(しののめいつき)さんに散々叩き込まれたからな。
ナイフの使い方だったり、様々な銃器の扱い方だったり、気配の隠し方だったりと、それはもう鬼教官が可愛く見える程のスパルタだった。
ただ、樹さんも言っていた。
訓練と実戦は違う──
それは理解しているつもりだった。
実際に命のやり取りをする訳だし、自分の手で人の命を刈る訳だ。
更には自らの命の危険性まである。
自分の命はやはり大事な訳で……実際、このまま依頼が来ないといいなぁ~、なんて甘い期待をしていた。
していたのだが、とある日……樹さんは罵声を発しながら満面の笑みで俺に依頼を持ってきやがった。
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