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「変わってるといえば、同じクラスには変な奴がいるくらいか」
「変な奴?」
まぁその変な奴とはあいつの事なのだが……
「標的と親しい関係にある人物で、こいつがまた変な奴なんだよ」
「どう変なの? 硝煙臭いとか探りを入れてくるとか? そもそも男? 女?」
樹さんは前のめりになって俺の顔を覗き込んでくる。
彼女は何度も言うが、性格はあれだけど容姿は悪くない。
付け加えるならばナイスバディだ。
まぁ、なんだその……俺は必然的に顔を反らす事になるわけで、
「こら! ちゃんと説明しなさい!」
と言われても、あまり女性に免疫のない俺からしてみれば、それはそれは刺激的な景色が繰り広げられている為、ついつい説明を中断する羽目になってしまう。
「お、女だよ! ただテンションが高い意味不明発言連発のピンクブロンドの髪をした女だよ! だからちょっと離れてくれよ!」
俺がそう言うと、彼女は低い声で、
「ピンクブロンド……」
と呟き、何かを考え始めた。
何か思い当たる事でもあったのだろうか? 樹さんはそれっきり黙ってしまった。
あんな、下手すりゃ中学生かと見間違うくらいの少女が何だというんだ?
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