Chapter.1

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「その子……名前は?」  樹さんは思案顔のままに尋ねてきた。  やはり何か心当たりでもあるのだろう。  じゃなきゃ仕事モードに樹さんがなるわけない。 「北川麻穂」 「きたがわ……まほ……」  俺の言葉をそのまま繰り返すと、彼女はそっと瞳を閉じた。  正直……とても気になる。  樹さんと麻穂の間に何があるのか、またどういった関係なのか、聞きたいけど聞いていいものだろうか? 「ふふっ……レン、気になって仕方がないみたいね」 「えっ?!」  だから突然、樹さんがそう言ってきた事には驚いた。  やっぱり彼女は心が読めるようだ。  なんてハイスペックな殺し屋だよ、まったく。 「知り合い……なのか?」  ばれてるなら仕方ない。  俺は樹さんに麻穂との関係性を聞いてみた。  でも、 「ん? ぜーんぜん知らない! ピンクブロンドなんて珍しいなぁ~と思ってね! だからちょっと気になっただけよ」  どうやら単なる好奇心からの探りだったらしく、知り合いでもなんでもないのだそうだ。 「ほーんと珍しいわね、ピンクブロンドなんて」 「だな」 「その子可愛いの? もしかして惚れちゃったとか?」 「ばっ! ねぇよ!」
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