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「その子……名前は?」
樹さんは思案顔のままに尋ねてきた。
やはり何か心当たりでもあるのだろう。
じゃなきゃ仕事モードに樹さんがなるわけない。
「北川麻穂」
「きたがわ……まほ……」
俺の言葉をそのまま繰り返すと、彼女はそっと瞳を閉じた。
正直……とても気になる。
樹さんと麻穂の間に何があるのか、またどういった関係なのか、聞きたいけど聞いていいものだろうか?
「ふふっ……レン、気になって仕方がないみたいね」
「えっ?!」
だから突然、樹さんがそう言ってきた事には驚いた。
やっぱり彼女は心が読めるようだ。
なんてハイスペックな殺し屋だよ、まったく。
「知り合い……なのか?」
ばれてるなら仕方ない。
俺は樹さんに麻穂との関係性を聞いてみた。
でも、
「ん? ぜーんぜん知らない! ピンクブロンドなんて珍しいなぁ~と思ってね! だからちょっと気になっただけよ」
どうやら単なる好奇心からの探りだったらしく、知り合いでもなんでもないのだそうだ。
「ほーんと珍しいわね、ピンクブロンドなんて」
「だな」
「その子可愛いの? もしかして惚れちゃったとか?」
「ばっ! ねぇよ!」
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