Chapter.1

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 そんなこんなで、俺が机に伏したままウトウトとしていると、俺とアイリのすぐ側にある窓ガラスが激しい音と共に砕け散った。  後、間もなくして、遠くで聞き慣れた銃声が聞こえてくる。 「きゃあぁぁぁ!!」 「うわぁ!」 「なんだよなんだよ!?」  普段は何に対しても関心のなさそうなクラスメートもこれには驚いたらしく、教室中がパニックを起こしている。  俺はというと、何故だか分からないが反射的に……マジで反射的にアイリを飛び散るガラスから庇っていた。  教室に飛び込んできたのは恐らく銃弾。  幸いに被弾した者がいなかった事には安堵したのだが、教室の床に7.64×54Rがめり込んでいた。  聞き慣れた銃声、見慣れた銃弾。  間違いない、これはドラグノフによる狙撃だ。  俺はアイリと一緒に態勢を低くして二撃目に備えた。  しかしそれ以降、弾は飛んでくる気配がなく、未だパニック状態の教室内が騒がしいだけだった。  俺は気配がないのを確認すると、窓の外を見渡した。  狙撃は標的と同じ高さ、もしくは若干高いくらいが理想だ。  この教室は三階だから普通の民家よりは高い位置にある。
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