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樹さんは俺を散々罵った後、声高らかにこう言った。
──明日から私立彩波(さいなみ)学園の生徒になりなさい!
意味分からん。
樹さんは優秀な人物だ。
その昔、親父の右腕として数々の修羅場をくぐり抜けてきたらしい。
体術にしても、知識にしても、それは素晴らしいものである。
しかしながら残念な事に、超が付く程強引で、超がいくつも付くくらいに大雑把な人なんだ。
その、彩波学園とやらの生徒になる──というのは良しとしよう。
いや、実際良くはないのだが、この際樹さんが俺の為(?)に受けてきた仕事内容を確認するのが先決だ。
だから俺はため息を吐くと、樹さんにその内容を聞いてみた。
彼女は、さも面倒臭そうに目を細め、深ぁ~~いため息を大きく吐き出すと、その全てを明確に、確実に俺へ伝わるよう事細かに説明を始めた。
最初は俺も、ふむふむと偉そうに椅子へもたれ掛かりながら聞いていたんだが、説明が中盤に差し掛かると悠長にしていられなくなっていった。
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