Chapter.2

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 成る程流石はピンキードラグノフと呼ばれる暗殺者だ。硝煙と血の臭いが体に溶け込んでいるんだな。  せめて容姿が分かれば、鉢合わせてもすぐに気付く事が出来るのだが。 「ピンク色の瞳……だと麻穂は言ってたけど、お父様は彼女の事を東洋美人だと言ってた」 (東洋美人……やっぱりピンキードラグノフは……) 「あと……彼女は笑いながら何か呪文みたいな言葉を言ってた」 「どんな!?」  アイリは考え込むような仕草で、うーんと必死に思い出そうとしている。  それが分かれば俺の推測の裏付けになるかもしれない。  それに、もし今回の狙撃犯が俺の考えている人物だとしたらこれ以上ない収穫だ。  しばし考えた後、アイリは発音し辛そうに口をもごもごさせながら、 「シェマチュン? 何かそんな事言ってた」 (シェマチュン? 何だそれは……)  おおよそ聞き慣れない言葉に俺は頭を抱えた。  推測の裏付けになると思ったのに、やはり推測は推測でしかないのか。  アイリは「なんだか分かる?」と言いながら立ち尽くしているも、生憎と俺は英語と日本語しか分からない。そのどちらにも当て嵌まらないのだから分かりようがないのだ。
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