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昔から家の中には音楽が溢れていた。だからなのか普通の人より耳は良いと思っている。小学生の頃から自分で曲も作ったし、感性…ってやつもそんなに悪くはないはず。ただ、家族みんなクラシックなのに私が進んだ道はロックだった。
ドレスで優雅に演奏…なんて私には無理!同じ曲でもバキバキのギターを乗せて重いドラム叩いたら、どんなにイカつくてカッコ良くなるか、考えただけで胸がドキドキした。
ドラムを始めた当初は母に隠れて、分厚い漫画本をいくつも部屋に並べ独学で色んな曲を耳コピした。今のスカンクメンバーと知り合うまでは相談できる相手もいなかった。今は桐谷を始め、克己にもメンバーなら誰にでも相談するけど、やっぱりドラマーの意見が欲しい時もある。
「私ドラム仲間っていなくて。ずっと独学で耳コピだけでやってきたし、だから他のドラマーさんみたいな知識とかって0なんだよね。お陰様でスカンクの名前が広がってお客さんも増えてるのに…今更基礎を相談とかヤバいよね?」
「そんな事!ってかむしろ独学だけであそこまでって…軽く凹むわ。俺は、人見知り激しくて初対面でスゲェ頑張るんだけど徐々に面倒臭くなっちゃって…結局みーんな疎遠。だから俺も相談できる様なドラム仲間ってほとんどいないよ?相談レス仲間だ(笑)」
意外だった、サワちゃんて几帳面そうだし(勝手な想像だけど)誰にでも丁寧に対応する人だと思ってたから…
「そうなの?面倒か、あはは!そっかー!」
「めっちゃ笑ってるし!じゃあこれからは共に桐谷の相方って事で、相談したり刺激しあって行こうよ!」
「賛成。なら早速メアド教えて?相談したい事が既にいくつかあるんだ!」
もしこれで本当にドラム仲間が出来たら、今まで誰にも相談できなかった事を聞ける!そう思うと嬉しくて仕方ない。この時の私は物凄くワクワクしていた。
「本当に?俺もミズちゃんみたいなセンス良い人にアドバイス貰えたら最高だよ。今日の感想も後で送ってね?じゃあ交換。」
「うん、先に送るね?赤外線ドコ?」
「ココ。あ、でも桐谷に聞いたんだけどミズちゃんってギターの克己さんと付き…」
マズイ!それ秘密なんです!
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