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「しーっ!克己のファンに聞かれたら殺される!まぁ、そうなんだけどね。今日はDD観て来るって言ったらちょっと羨ましそうにしてた。で、どうかした?」
「メアドなんて交換して平気?怒らないかな?」
「全然怒らないよ、むしろ仲良くなれて良かったなって言うよ。私にドラム仲間いない事気にしてくれてたから。」
「そっか、仲良くて羨ましいな。スカンクってみんな仲良さそうだし、メンバー間の信頼厚そう。だからあんなに良い演奏出来んのかな…」
一瞬、サワちゃんが淋しそうに笑った。この人、こんな顔もするんだ…
その後、サワちゃんとあれこれ話しながらアドレスを交換し終え、ステージの準備に「また後でね」と楽屋へ戻っていくサワちゃんを見送る。優しそうな人で良かった、仲良くなれそう。
「おい、俺の存在忘れてないか?」
「桐谷いたの?サワちゃん優しくて良い人だね、仲良くなれそう。他のメンバーさんは?」
「相変わらず扱いが雑!サワちゃん普段女の子と話す時緊張しちゃってあんまり喋れない筈なんだけど…お前女じゃないし、緊張しないで喋れたんだな。うん、そういう事だ。」
・・・はぁっ?!
「桐谷…ラリアットだ!くらえ!ってか他のメンバーさんは?」
「ぐはっ…ちょっと忙しいみたいだから、ゴホゴホ。またな。」
話していたらいつの間にかDD BROWの出順が回ってきて、桐谷は慌てて楽屋に戻っていった。私は最前列のベース側をキープしながら、これから始まるステージに胸躍らせる。
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