あれから

2/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
今日も9時すぎに 咲弥を送り出した。 咲弥がこの中学校に 新任として やってきたのは去年 偶然にも私が担任をしていた 瀬戸未来の 彼女だったと知ったのは 去年の夏だった。 中学3年の時 担任として初めて 瀬戸のクラスを受けもった。 中学校に入ってきた時から 地元では有名なワルで 私達も手をやいていた。 喧嘩を繰り返し 学校には何度も他校の生徒が 学校に押し掛けて来た。 そんな瀬戸を 3年生の時に受け持ち 毎日が戦争だった。 学校に遅刻したり 喫煙してたり 喧嘩をしたり 私はとにかく走り回り 瀬戸を叱り、 良い事をした時は褒め 一緒に涙することもあった。 次第に瀬戸が心を開いてくれ 今まで心に秘めたものを 私に話してくれた。 私も彼のために 一生懸命サポートした。 彼も徐々に変わり始め 修学旅行は家庭の事情で 来れなかったものの 文化祭、体育祭など 様々なイベントも 一生懸命取り組んだ。 修学旅行に 来れなかったのは 金銭の問題だった。 母親の未希は 女手一つで 彼を育てていたため 修学旅行の費用も 払えなかった。 何度か未希とは話をして 立て替えるので 修学旅行に 行かせてやってくれと お願いしたが その申し出を断ったのは 瀬戸だった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!