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おやつ
今の子供達もおやつ大好きですよね。
でも僕の子供時代とは少し印象が違います。
僕の子供時代は皆、おやつに飢えてた気がします。
自分のおやつを人に分け与える子供なんかほとんどいなかったな。
誰かがお菓子を食べてると、まわりの子供達は「お願い。少し頂戴!」と皆しておねだり合戦してました。
例えば、ポテトチップスを一袋とか持ってる子がいたら、もう大変です。
「一枚頂戴」「僕も頂戴」「私も…」と一時の人気者になってました。
ヤクルトとか飲むときは、どの子も少し飲んでは残りを確認し、また飲んでは残りを確認し、最後は名残惜しそうに最後の一滴まで啜っていました。
ただ、お菓子を欲しがらない人達もいました。
それは大人達です。僕の祖母もそうでした。
家にあるお菓子は本当に毎日少しずつなんですが、殆ど全部僕に食べさせてくれていました。
僕が小学校高学年になろうか、と言う頃、お年玉を貯めておいて一年間のお小遣いにすると言う習慣が身に付いて来た頃です。
きっかけは忘れました。
祖母かポロリと洩らしたた言葉です。
「私も、お菓子を一袋、全部食べたりしてみたい。」
はたと気付きました。祖母との貧乏な二人暮らし、祖母だってお菓子に飢えてないわけじゃなかったことに。
ただただ僕が可愛くて、僕にお菓子をゆずり続けて来たんだと。
そんな当たり前のことに10歳近くなるまで気づけなかったんだよね。
それからお小遣いで買ったお菓子はいつも祖母と二人で食べる様になりました。
昨今、テレビで紹介されてる人気スィーツの数々、あんな食べ物を僕らが子供時代に食べてる子がいたら、間違いなく大人気者になってたはず。
不思議に思うことが一つ。
子供の頃、裕福さを羨む子は沢山いたけど、妬む子っていなかったよな~。
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