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少しの水と食料を持って、私は線路沿いを歩いた。
戦争の被害は思った以上に酷く、電車は復興する様子もない。
私はひたすら歩いた。
電車に乗って6駅ほどの距離の町。
きっと、3日くらいはかかるだろうな…
歩けば歩くほど、町の状況は酷くなっていった。
でも私は、どこかで確信していた。
あの桜なら大丈夫…
どんな戦火にも負けない強さを持ってる。
正太郎さんもあの桜の下にいるんだ…
私は何度も心に言い聞かせた。
それだけで、歩く事も苦痛じゃなくなった。
食料や水は1日一食と決めたから、なんとか足りる。
私は必死に、正太郎さんへと続く線路を歩いた。
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