盗賊ギルドの1日

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「皆起きろ!!」 スキンヘッドの体格のいい男が1人1人蹴り起こす。 “クラウンハント”は基本的には起床は自由なのだが、現在昼の2時。 昨日の打ち上げが長きに渡ったので、皆酔い潰れてしまったのだ。 「たく…ラルクさんも手伝って…って、あの人は透か」 俺はこいつらで良かったとぼやきながら、外に出ていった。 「…透も女の子なんだから、恥じらい持とうよ…」 そう言って黒い頭をポリポリ掻く青年。 名前はラルク。 そして透とは、現在枕を抱いて寝ている少女のことだ。 しかし姿はキャミソール一枚に短パンという、完璧に男を舐めている格好だ。 基本的には男で構成されている盗賊ギルドでこのような格好をする透は、女としての自覚がないのか男を挑発しているのか。 「俺は後者を取る」 そう1人で頷くラルク。その姿は端から見れば変質者にしか見えなかった。 .
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