彩り

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「アメリカ?」 たっちゃんの目が大きく見開いた。 普通にしてても大きいのに、さらに大きく見える。 「学生の頃、お世話になってた先生に呼ばれて…」 「…ふーん。」 「1カ月ぐらいだと思うんだけど…」 目を伏せて、俯いてしまったキミは何を考えてるのかな… たっちゃんがゆっくり口を開いた。 「…行くの?」 いつもと全然違う切なく、悲しみに満ちた声。 「たっちゃん、俺…」 「待ってる。」 俺の言葉を、遮って聞こえた声はしっかりとしていた。 「メールしろよ。ずっと、待ってるから。」 語尾がだんだんと小さくなっていくたっちゃんの頭を撫でた。 .
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